高校を卒業し理工系大学に入学したものの大型鉄道模型の方はすっかりご無沙汰となりました。国内ではSLが全廃の直前でしたし海外にも撮影のため足をのばしたりしたため時間的にも経済的にもED16をいじっている余裕は無かったのです。それでも登攀力を上げるため実機にはない2段減速ギヤを組み込むなど設計変更を行いモ-タ-を追加して先輪無しの台車を完成させました。ボデ-は学内のゴミ捨て場にあった長椅子の板を加工して箱状にし窓をくり抜きました。前面のテ-パ-や屋根の丸みはカンナで仕上げました。こうしてパンタグラフすらありませんでしたが電気機関車らしきものが出来たのです。
東京の家の庭に10mほどアングルのレ-ルを敷き手作りの12VDC電源を接続するとズズズと音を立てながらゆっくり動きだしました。日が暮れて暗くなっても何度も行き来してレ-ルにガイドされスム-ズに動く鉄道の感触を楽しんだのです。
しかし大学を卒業して就職すると忙しさのため全く顧り見なくなり屋根裏部屋に15年も放置することになりました。庭園鉄道を敷く考えもこの頃は全くありませんでした。