SP45の台車はアルストム台車なので車輪軸受けの直線摺動部はなくリンクによって旋回運動します。そのためリンクを吊るすブラケットが備わっています。このブラケット、実物がどうなっているかは図面が無いため判らずコロナで実機を見に行くことも出来ず想像で造るしかありません。そこで10mm厚のフレームよりやや熱い16mmの鉄板に溝を掘り、その間でリンクが支点を中心に旋回する構造としました。
フレームと同様材料に直接ケガキ線を引くのではなく図面をプリントアウトして貼り付け切り出すための穴を開けます。その後は金ノコで穴を繋ぐように切っていきます。
この後はフライス盤による端面仕上げとなります。端面は比較的大きなエンドミルを使って仕上げます。色々な角度で削るためテーブルの割り出し角度を利用しますが角度の限界や送り方向の事情によって固定方法は難しくなり色々考えながら作業しなければなりません。
その後はリンクを挟む溝を掘ります。しかし深い溝を掘るのはフライス加工にとって楽ではありません。フライスの刃、すなわちエンドミルはそれ自身が回転しているため進行方向の反力と回転方向への反力がかかり撓むため必ずしも真っ直ぐ進んでくれる訳ではなく終わってみたら溝が曲がっていたりすることもあります。そのため溝を掘る時は両側の壁を別々に切削した方がよく10mmの溝を掘るなら8mmのエンドミルを使い極めて少ない切り込みと少ない送り速度で時間をかけてやります。